こないだの日曜日、とうとう愛知万博に行ってきました。

というのは、嘘です。
実は、お台場をアテもなくうろついてたら、「MEGA WEB」という、TOYOTAの巨大ショールームにたどり着き、大量の車に混じって陳列されている彼らに遭遇したのでした。
ところで、このモリゾーとキッコロの着ぐるみ、よく見ると、覗き穴か通風口みたいなものがありますね。


そこで、中の人を想像してみましたが、いかがでしょうか。

…うーん、モリゾーの方は、頭が重たそうですね。
当ブログ5月30日付け記事で取り上げた「MASTERキートン」の原作者問題、発端となった週刊文春の記事では一方の当事者である雁屋哲氏の言い分が伝聞調で書かれていて、その後反論なりフォローの記事が出てくるのかと思いきや全くのナシノツブテで、このままウヤムヤに終わってしまいそうな気配を感じさせます。
さて、雁屋哲氏といえば「美味しんぼ」。「美味しんぼ」といえば、初めて読んだとき「何だか開高健の小説『新しい天体』に似てるかも知れない…」と感じたのを思い出しました。それはもう遠い昔のことなので手元に文庫本も残ってなく、この度、図書館の閉架にしまわれているのを取り寄せて読んでみました。以下、その感想を簡単に述べたいと思います。
「新しい天体」のあらすじをまとめると、ざっとこんな感じ。−−筆者(開高氏)の友人の大蔵省職員が「相対的景気調査官」に任命される。仕事の内容は、余った予算を消化するため、下はタコ焼き・煮込みから、上は松阪牛やスッポンや高級フランス料理等、あらゆる種類の食べ物屋に訪れては食べまくり、現場を取材した上で景気の実感をレポートにまとめるというもの。もちろんこの仕事は部外秘で、予算は使い切らなければ来期に削られてしまう。こうして、主人公は日本全国津々浦々、美味いものを食べつつ、美食について様々な考察を思いめぐらせていく。−−
この小説のどの辺が「美味しんぼ」に似てると感じたかというと、仕事でうまいものを食べまくるところと、味に関する表現語句。私は「まったり」という言葉をこの小説で覚えたし(煮込みについての表現)、ヒラメの肝に対して「ねっとりとしていながらくどくなくて」などと、似たような言い回しがなされていました。あと、ネットで検索してみた所、同じ店が出てくるようです(→『美味しんぼ 新しい天体』で検索)。
ただし似ているのはそこまで。「美味しんぼ」の登場人物が美味というものを常にポジティブにとらえているのに対して、「新しい天体」の主人公は、美味を追求して高級なものを食べていく内に虚無感が訪れてきます。前半、明石焼きやモツ煮込みといった、今で言うところのB級グルメに関する描写はほのぼのとしていて暖かみを感じたのですが、後半、予算の消化が足りないとばかりに食べるものもグレードアップして高級料理や高級食材を食べるくだりになると、主人公は、食べている最中は至福を感じているのだけど、やがて「皿ごとにはずむような歓びといっしょに、何かしら、とらえようのない胸苦しさもおぼえてくる」。ご馳走を口に入れた瞬間の描写がとにかくメチャクチャうまそうなだけに、その反動で、読んでいる私は主人公以上に気が滅入ったりもしました。
ラストがとてもヤケクソな描写になっているのですが、おかげで、私の読後感はスッキリしました。
冒頭で小松左京氏が開高氏に向かって「近年極地の氷がどんどんとけるいっぽうで地球のあちらこちらで水位があがっているからやがて洪水期となるにちがいないがあんたは覚悟ができているのか」と話していたり、景気調査の中で「ドルショックで世間は騒がしいでェ」などといったセリフが出てくるあたり、時代を感じさせます。遠い昭和の列島スケッチのおもむきもあり、食べ物の話以外の部分でも、なかなか面白い小説でした。
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